バナナ

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海老いりの麺をたいらげて
なれた旅人のふりをしてあるく
港に面したこの市場には
日々あたらしい魚貝が船で運ばれてくる
 
みたことのある魚ない魚
つるされた大きな何かのおにく
あおあかきいろの唐辛子
ざるに盛られたフルーツは
色の良いのも黒いのもある
 
あのぅバナナはおいくら?
きょとんと首をかしげてる
発音だろうか単語だろうか
まさかバナナではないのだろうか
 
あちらこちらを指差してるうち
わたしたちはほほえみあって
そのうち機密を共有し合うかのよう
ことばが役にもたたなくなっても
ここは同じ一つの世界
 
サンキューババーイ
頭上にくっつけた無数の疑問符
たんぽぽの綿毛みたいに
風が来てふわり宙に散らばる
 
 
 
☆コトバナパラレル「バナナ」☆