コトバナ2009 1Q
願いが何処へ届いても 想いはやがて消えてゆくのに ワンモアキス 時の流れにふたつの熱を 刻めはしないと知りながら ワンモアキス つめたいゆびを引き寄せて あなたのすべてが欲しいと言おう ワンモアキス ワンモアキス こわれるクライ抱きしめて
現実の出来事なんて 気の利いた演出も効果音もなくて 映画のようには盛り上がらない たくさんのことが時間をかけて ゆるやかに壊れていく いい気になって無限や永遠を口にした きまって翌朝 井の中のナントカみたいで嫌になる 世界の仕組みの数パーセントも…
若さは無限の可能性であり力である しかしそれを浪費することは容易い
これを恋でなく 何と 名付けるのだろう 言葉はつまづきそうなほど 此処に散らばって在るのに どれを繋いで向き合えば 想いと同じになるだろう これを恋でなく 何と
抗わねばならないほどの 大それた運命とは思わない 変える力は掌の中
足りないのは言葉だったのか 夢にうちこむあのひと程に 私は何に誠実だったのか わかっているとうなずきながら そのさきの未来をゆびさしながら つらいといったあのひとの かなしいといったあのひとの 涙をみたことがあったのか 木目をそろえた茶碗のひとつ…
つめたいいろにそぐわない やさしいかおりにつつまれて そのかなしみはきえてゆく やがていとしさをとりもどす
ことばのはなたば そっとおいてこよう ありふれた玄関先に あのひとにだけに それとわかるように
電線のように慎重に正確に 引き回さなくったって こころは繋げられる あなたのいる場所へ 想いひとつで飛んでゆける
きみが笑ってさえぎった ぼくの言葉を きみはぼくの口から 2度ときくことはないだろう グラスの氷が溶けすぎて 水みたいなラムをぐいとあおる もうここまで だから
失くしてはじめて気がついたのではない 新たな気持ちが湧いた それだけのことだ
きらきら星を待つ画用紙に グレースケールのペインター おまえなんてにせものさ そう描いているようにもみえた ココロの軌道を見誤りそうな プラスチック・ムーンライト
知ってるつもりの真相は 考えてみればほとんどが 聴いた話にほかならない ほんとうは何も 知らないのかもしれないな ぼくはなんでこんなにも 思い込みに従順なのだろう
That’s All 約束をひとつも果たせずに
あのひとが断ち切らなければならない過去に わたしが含まれていたのだとしたら合点もいく
潮 が 満 ち る 時 が 満 ち る 心 が 満 ち る 潮 ど き 時 ど き 心 ど き ど き
あっさり加減がしゃくにさわる 君の言葉はいつだって 胸にパーフェクトなインパクト 誰が見てよと容赦がないね レモン100個搾ったシャーベット だけどひとくちかじってみたら 拍子抜けそな甘さも見せた しかめっつらも ふくれっつらも全部好きさ 君は僕の…
失うことなんて簡単すぎて 呆気にとられちゃう
間違うのはいつだって同じような位置 何度も何度も気付いてはいるんだよな また ひらく扉にごちゅうい
ながい夢から覚めたとき 手を伸ばしたのは あなたの気配と 毛布の中のぬるい永遠 繰り返さない情熱は 優しさの記憶にくるまれたまま 冷えて固まる ああ もしも これが恋であったなら 終わることもできたのに 凍り付いていく真昼の陽よ 肌を切り裂く鋭い光は …
あなたに観せたい景色 あなたに聴かせたい歌 あなたに なにもかも 言葉でつたえられたら どんなにすてきだろう 遠い心の旅先で 絵葉書を眺めながら 言葉がうかんでくるまで ゆっくり待っていられたら どんなにすてきだろう あなたのことを想いながら あなた…
つたえてもつたえても すきは たりないくせに くちにしたことのない きらいに きみはきずついた じぶんかってに さようならを きめないで じぶんかってに ぼくのきもちを きめないで
君の写真のだれかの足跡 波打ち際と平行に どこまでも続いていくようだった 息をすいこみまぶたを閉じる ことばが波に消されても 君の声がききとれるように 眼のまえで交差した糸 今という未来の往きさき 識らずにゆびを掛けていた ぼくらはもうずっと前から…
昔 ある人が僕に言った 「ねえ君、会話はキャッチボールだよ」 まともに受けとれず 投げても届かなかったり 大暴投だったりの僕に それはつとまらない あきれ顔で笑い放たれたボールは 心のすみの深い溝に落ち込んだ それからやがて 君と出会った僕は やっぱ…
どちらかが途切れたら僕らは お互いの生死すら知り得ない
いそがないで 永遠なんて いつだって手にはいる 今は いまだけ ここにあるだけ だからおいで 泣き顔でいいよ いっしょに わらおう
想いが距離をきめるなら すこしだけ手をのばせばよかった あの夏のぼくたちは 時が行き 遠い冬 求め合った口唇は 春を待たずにひびわれて 温度を下げてく手のひらは 君がいなくて ただそれきりの 零れる熱が色を奪った モノクローム・サンセット
なにもかもうしなわれていく のだろうか たしかにそこにあった のだろうか
あなたはそっと ぼくのこころに ほおづえつくひじを やさしくはらった あらしのばんも ふぶきのよるも あなたはしずかにうなずいた きえかけたろうそくの うすあかりのむこうで いつだって ぶきようなぼくのこと みていてくれたね かざることばもなく ありが…
堤防に寝ころんで 夜空に散らばった いくつものひかりの粒をかぞえた 手をのばせばつかめそうで のばしてみたらいやに遠くて きみもあの星のどれかなんだ 手をのばせば届きそうな ひとりぼっちのプラネタリウム 波の音だけがきこえてくる 静かに静かに おし…