コトバナ2007 2Q

詩人として 人として

気が付けば何年もこうやって 言葉を描き綴ってきたけれど それで自身を詩人と言えるかどうかは 今でもよくわからない もしもその名を冠することが赦されるなら わたしはひとりの詩人として この眼がうつす全ての景色をうたいたい 草のように樹のように この…

I LOVE YOU

I LOVE YOU ありきたりに 愛シテ

手紙

まっ白な便箋に 文字でなく 心をつづれたらどんなにいいだろう そのお終いを笑顔で結び 赤いロウで封をして 青いそらのポストへ いつの日か いつの日か あなたにとどけ

未来

あなたの手をとって ここからどこへでも行こう 今日のために生きてきたんだね 未来のためにぼくらはいるんだね

時空の琴線

時空の琴線を指でふれて 想いを紡ぐ 目覚めきらない心のまどろみが もやとなってふぞろいな鼓動を包む 新しい空をさがして 新しい海をさがして たったひとりの 一人に 生まれかわりたい 異世界の風に 錆びてしまったこのこころを晒したい 時空の琴線を指でふ…

6月の夜

あなたのいない夜を見あげた 満天の星が降りそそぐ あなたのいない夜を抱いた こらえた涙が降りつもる しめった空気が眠気を遠ざける あなたのいない 6月の夜 たったこれだけの 恋

深海

深い海の底のような静かな悲しみが あなたを覆うとき ぼくにはただ 待つことしか赦されないのか あなたが錨を投げ入れた 遥かな記憶の深淵は 澄みきった蒼い色をしている 呼んでも叫んでもあなたは 身をすくめ砂に沈んだ貝のように じっとかたく閉じられたま…

サフィニアの花咲く公園で

サフィニアの花咲く公園で あなたと まちあわせをした 花の写真を端からめくって スプーンの絵柄を見比べて笑い 大きなオムライスをつつきあった カフェの隣の花屋には もうひまわりも置いてある 手のひらがすこし汗ばんでくる デュラレックスのグラスについ…

あじさい

ここのところ休みなく働いたから すこしはカラダを思いやって ちょいとひとやすみ 天気はあいにく雨だけど 雨のお陰でおいしいお米や野菜が食べられるのだし きれいな花を眺められるのだと言って一人うんうんと頷く さんざん降りしきった雨も正午からは弱く…

ひかり

きみのてのひらに うまれるひかりは ぼくをあたためる たったひとつのひかり

青梅洗い

軒下の日陰で青梅の実を洗っている 硬くてごろごろとして手に心地よい感触 こんなに天気のいい 穏やかな風がふく午後にも 歴史はつぎつぎと書き足され 今もどこかで争いがおこっている きのう観たモノクロ映画の中の台詞 「世界中の母親がみんな戦場に集まれ…

ありがとう

こないだは ごめんね きのうは ごめんね さっきは ごめんね それからさいごに ひとつだけ ありがとうで 一日を 終わりましょう あなたと話せて 嬉しかった ありがとう ありがとう またあした

素敵

素敵だと思うことを ステキだと 言葉で言いたい あなたに会う日は 一番の笑顔で

さがしだせるもの

青空に言葉を求めても 星空に優しさを求めても 捜し出せるのは いつも 君だけだった 青空に君を求めても 星空に君を求めても 探し出せるのは いつも 空だけだった

blue

誰かとわかりあえることを知り 心が限りなく透明に近づいたとしても 純粋でいられるのは難しい まして今は空を見上げるときにだけ希望を見いだすほどだ この海に勝るものがあるなら見届けたい 思い通りに言葉が伝えられたことなんて 一度もない

希望

遠い日に夢見た この手にあるものを 今 みつめる 夢は叶う 夢は叶うと 信じたいけれど

想い思い

きみの笑顔を想い思い キスした頬を想い思い 想い想われ 思い思われ ぼくらはどこにたどりつく? そんなの知らない きみがそばにいてくれたらいい

この世界に遺すもの

待とうと待たまいと 明日は必ず来てしまうのだから どんなに楽しい今も どんなに苦しい今も 過去となり いつしか遠くなる もしこの世界になにかを遺すとしたら それは何だろう

認識

避けることのできない感情が どっと背中におしよせてきて 認めたくない 認めないぞ そんなことこれっぽっちも認めたくないと 思えば思うほど深みにはまる 不器用もの

奇跡

奇跡をおこして大切なものを守れるのなら すべてをひきかえにしてもいいから 開け放した窓に雨が降りこんで キラキラと幻影をうつしだす 濡れた指先でなぞると あなたは紙粘土のように崩れてしまう 本当のことなど これっぽっちも信じてくれなかった 奇跡を…

ビー玉

背中にしみてくる雨が 涙だと気づくのに 2年もかかってしまった 時間は痛みをすりへらす そして手垢をそぎおとす あとはビー玉 涙のビー玉 心のビー玉 喜びも悲しみも みんな心にころがっている

ダメージ

朝の訪れを もう何日も待ちぼうけていた 君はいくつもの夜に避難所をみつけて 偶然に腕の中におちてきたぬくもりに甘え 自分の心を誤魔化しているうちに 僕が待っていることなど 忘れ去ってしまったんだ そんなにかんたんにあきらめて もうどうでもよくなっ…

自責

言いようのない思いで満たされた心 感情的になると 決まって後からせつないね 落ちこんでいるあの人に 何て言えばいいかわからず とんでもないことを言ってしまった あの人はたぶん気にしていない あの人がどうということではなくて たまらなく自分が情けない

原因

ぼくを苦しめるもの 虫歯と 頭痛と あらぬ妄想

きみが言いたいこと

口に出さなくたってわかってる きみが言いたいことは ぼくが聞きたくないこと ハイウェイの急な坂道を 転げるように下っていく心 ステアリングをいっぱいに切り ブレーキを踏みこめば どうなるかくらいわかってる

一時的な感情

一時的な感情の強さは はかり知れない 一時的な感情に流されない人を すごいと思う

キレイ

洗いこんでシワシワの シャツみたいなハート キレイだけど せつない キミの言葉でキレたけど 今日はキレイさっぱり 好き

真実

世界が燃えつきてもきみをはなさない 一日にあきれるくらい耳に流れこむ 愛の意味がまだわからない 嘘は言わないで 嘘ならつきとおして 嘘はつらいから 世界が海に沈んでもきみをはなさない きみが真実でさえあれば

曖昧な感じ

曖昧な感じが好き 曖昧な感じは楽しくてせつない 曖昧な感じは不思議でかなしい 曖昧な感じが好きと あの人は言った

3 months

時計の針を気にせずに君と歩けたら どんなにいいだろう 遠く離れて愛が終わるなんて 誰の口からもききたくない 君が信じてくれるだけの何かが 僕の中に存在するか 僕はただずっと君といたい 心の弱さの前に 夜が大きく立ちはだかる 今のところは負け知らずの…