2007-01-01から1年間の記事一覧

詩花(コトバナ)の花壇

春にひらいた小さなこの庭で 駆け足ながらも季節を感じながら 沢山の詩花を飾ることができました 咲かないと仕舞いこんでいた種も ひかりを浴びて蕾をつけました あなたが見ていてくれたから これからいつだって会えますね わたしがどこにいても あなたがど…

よかったね

君の笑顔がこんなにも 僕をささえているってこと 君は知らないんだろうな そんなまじめな顔をして 「昨日みたいにまた海で泳ごうね」 なんてさ 君の思い出がぜんぶ「昨日」だって 知らない人はおどろくよ 僕はあとどれくらい 君といられるのかな 考えすぎる…

あかり

あなたのこころに あかりを灯したい 今夜 ではなくて 今夜から

まちあわせ

ショウウィンドウの光が入り混じり ふり出した雪は足どりに消える こんなにも乱雑な 特別な夜のはじまり 笑う恋人たちを横目に まちあわせの列ができる 改札の人ごみに 目をこらし...うつむき...見上げ... こどもの頃は一晩サンタを待ち続けてた 小…

かえりみち

おつきさまおつきさま わたしたちがみえますか 白いフードをかぶって おそろいのゆきだるま みたいでしょう 左手に小さなてのひら 右手にもうひとまわり 小さなてのひら わらいごえで リズミカルにゆれる おつきさまおつきさま わたしたちがみえますか わた…

その後の柊

わたしは あなたのこころに 間に合いましたか http://blogs.yahoo.co.jp/shel_paint/12816341.html 「 柊 」

つめたいひと

一晩かけて準備した言葉は 言えず終い 慎重に言葉を選びすぎて ひとことも伝えられずに あのひとが言いはなつ 「つめたいひと」に ふかく沈む

記憶

ほんとうは何も過ぎてはいかない 何も失ったりはしない この手のなかに今あるもの それとかつてはあったもの 根拠もない不確かな所有感 ずっと考えていた ひとは生きているうちに見たものや経験を 憶えたり忘れたりをくりかえすのに 記憶は途切れ途切れでも …

夢恋

夢見ごこちで淡い恋をした あれはいつだったか 悲しくなる前に逃げ出そう 傷つく前に一人になろう 幻想は こんな小さな水たまりのなかでは いつまでも続かない 何もかわらない 何もかえられない そう思うことが いつか心を苦しめていた ただ 今 否定できない…

shell

僕のこころの硬い殻 どんな矢もとおさない硬い殻 激しい雨風もうけつけない セラミック製で完全防水の かたいかたい殻 もう傷つくのがいやで なにもみえなくした なにもきこえなくした なにもいわなくした はずだった そとからはつるんとして見えないけれど …

東京の空

君に告げずにここへ来た そうでなくては 心がざわつくばかりだから 一年前は雨だったよ その前の年はくもり だからぼくは 誰かが唄っていたのを真に受けて 東京の空は灰色だって 信じかけていたんだ 君がのこしたメモの住所は もうふたつ先の駅のそばで それ…

おくりもの

クリスマスイブには ぼくの心がおくりもの 「それじゃ、まいにちが クリスマスイブみたい」

一歩

きみの一歩は とてもちいさくて あぶなっかしくて 眼がはなせないけど そのつまさきは たしかに明日に向いていて 今日もちいさく未来を 切りひらいている

失踪

真実はどこにある 君はいまどこにいる 君が遺した言葉繰り返すほどに その答えは後ずさる またどこかで痛みを撒き散らして 深い夜の裂け目を彷徨うの 喉から燻り落ちた声は 心の空洞を浮遊する 真実はどこにある 君はいまどこにいる 渦巻く素粒子の壁の中 僕…

自分の色

息子が図書館の3階から小走りで戻ってきた きれいに出来て褒められたのだと 指先をむらさきやらきいろやらに染めて 娘に絵本を読み聴かせていた母親に 満面の笑顔を讃えてさしだす 和紙の染め物 ああ そうやって見せびらかしては 小さな妹がほしがってまた…

今日のひとつ

さがしてた とびっきりのすてきなひとつ みつけた

焦燥

黄昏をとうに過ぎて 憂鬱な吐息の先に見る 煙のむこうに君がぼやけてる ガラスごしのキスのよう 空をきる君の視線が 違う明日を見据えている どんなに綺麗に繕っても 言い訳にしかきこえない セルロイドの夜のしじまに 僕の願いは溶けて消え去る 無音の焦燥…

MIDNIGHT

ひっそり ひとり ヘッドホン越し 静かにこころ寄せる真夜中のRadio せっかくいいところで どなた様かのおもいでの 甘くせつなく退屈な 眠気を誘うラブ・バラッド ...真鍮製のスパイクで 月の彼方に蹴り飛ばしたい 眼をつむりDiskいちまいとりだせば いま…

非難の言葉

非難の言葉は 瞬間的に生まれた感情でも 例え悪気がないにしても それがいつまでも 相手を悩ませ 傷つけるかもしれないことを よく考えておくべきだ 親しき仲にも礼儀あり 親しくないなら尚更 人は思った以上に 脆いときがある

だ  れ

日曜日の午後 わけもなく わけありで悲しい ひとりには 慣れてしまうと思ってた だれかの声が渦巻いている 胸のあたり 泣きたいけれど涙もでない もっと近くにいたいよ 気づかないフリ だれのこと 会いたいひとはだれ

別れの時

あなたとふたり 永遠を夢みて追いもとめて そんなものどこにもないってこと ようやくわかったけど だから痛みもいつか終わる だから新しい日々もめぐる そうだよね そう言って だけどこのお別れを 時のせいにするのはやめようね 時はなにひとつ選ばない 選ん…

ベルモンドの夢

1セントきりの善悪 デリカシーの不在 気後れのバイブレイション 至福に満ちた微笑み 気まぐれな窓 赤い薔薇と瞳の公差 ポリシーだけはヌーベルヴァーグ 危険極まりない 自意識過剰の深み

ダーツ

まるでダーツのセグメント いろんな色があわさって くるくるまわる心の滑車 ねらいも決めずに矢を放てば それは思ったとおりに 宙に舞いあらぬ方向へ うまくいかないこと全部 何かのせいにしてしまいたい そう思うときだってある 朝になればまた 新しい言葉…

散る花

散りゆく花びらが 土に還ったあとで あなたは 私を思い出してくれるだろうか はかない 夢を置き去りにしていった 傷つきながら 何を探そうというの? いつもそばにいてくれると 信じてた

Sincerely

Sincerely 言えなかった さよなら Sincerity そんなふうには なれない

空の詩

海が描く詩は鳥のもの 鳥が描く詩は空のもの 空が描く詩は誰のもの 時に優しく 時に痛いほど 万物にふり注ぐひかり さんざん泣いた雲の切れ間に さしこんでくるよ 雨が描く詩は土のもの 土が描く詩は空のもの 空が描く詩は誰のもの わたしが描く詩は誰のもの…

ドントブレイクマイハート

ドントブレイクマイハート 悲しい雨がふる ドントブレイクマイハート 悲しいしらせはよして

アンティーク

音が飛ぶステレオも ブンブン言ってるレイゾウコも 端の欠けたランプ・シェードも ここにはじめて来た日は みんな新品 僕もずいぶん古くなってしまったな 保証期間はとっくに切れて 外側も内側も もうぼろぼろだ 何もかも投げ出したくなる僕を この世界につ…

世界の果てまで

しがらみと重力に囚われた 鉛のカラダを引きずって アスベストの草原を 歌いながらわたろう 錆をのこさず研磨した 錨を脚に巻き付けて アスファルトの海原へ 口笛吹いてダイブしよう 最後の地平を望む丘に立ち ほころびだらけの翼をたたんで くちづけをかわ…

パズルボックス

春は出会い ぼくとあいつときみと あの夏は 言葉のゲームに夢中だったね ぼくとあいつときみと いつだって 思い思いのすれ違い ――魔法の解けたパズルボックスに3人はもういない―― ぼくとあいつときみと もどかしい秋をくぐりぬけ つめたい冬がはじまる