東京の空

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君に告げずにここへ来た
そうでなくては
心がざわつくばかりだから

一年前は雨だったよ
その前の年はくもり
だからぼくは
誰かが唄っていたのを真に受けて
東京の空は灰色だって
信じかけていたんだ

君がのこしたメモの住所は
もうふたつ先の駅のそばで
それでも花屋を通りかかると
君の背中をさがしてしまう

あの日の寂しげな呟きを 
胸のふかくで反芻しながら
つめたくなっていく風の中で
せめて
君の空が青くてよかった
なんて考えていた

お昼休みはあと10分