コトバナ2011 3Q

ワープ

どこにでもある入り口を通って たどりつくあの日は萌黄色のゆめ

シュガーレス

言葉のさじ加減を知りたい 塩化ビニルのパイプの破片を 靴でざくざく踏みしめる 丁寧にオブラートに包んだって 飲まない相手には同じ どこまでもついてくる シュガーレスな雨雲 君が傷つかないように 僕が傷ついていくことを 赦すしかなかった夏のこと

解放

あの頃という呪縛から逃れ 今という自由をその手に 行け、未来はお前のものだ

レイン

君が優しさと見間違えた僕の弱さを 聞こえぬ振りでやり過ごした 時差信号の交差点 一切の事を流してくれそうな どしゃぶりの雨風の中 大事に抱き抱えていた荷物を 手放そうかとためらって 君がいない今気付いても仕様のない ドアミラーまで10ミリの抜け道 …

リン、となる

かなしくて仕方がないのに あふれたのは優しい気持ち わたしは毀れてリンと成る わたしは零れて凛、と鳴る わたしとわたしの言葉たちが ひとつ残らず枯れてしまっても 別の言葉が あたらしいいのちを伝い 世界を順に引き継いでゆく それは喜ばしいことではな…

些細な事

些細な事と云わないで 些細な事で人は傷つく

プライマリ

あなたに出逢えたから この先にどんな後悔もありはしない

本当のこと

本当のことを教えてほしいの 本当のことなんて案外つまらないものだよ

ルーティン

なんという心地よい 繰り返すという事と音

good times & bad times

いいもわるいもそこそこも ぜんぶひっくるめて本当のジブン あんまり気にすることはない 明日もっとうまくいく それを信じるかどうかさ

カット&ペースト

いつかまたねと言えるほど のこされた時間は多くない いますぐあなたに逢いたい かなしむためのやさしさだったら 砂に埋めてさよならでよかった 心は流れてモスグリィンの沖合い できるならこの空を切りぬいて あなたの夏に貼りつけたい そっくり気付かれな…

夏空は真空

あなたを想うと息さえできない 両手伸ばしても掴めない夏空は真空

無期限の約束をまちながら またひとつ夏を台無しにした かかとが記憶した焼け砂の温度 とっておきのくちづけが とったままになりそうで すずしい朝に泣きたくなるよ 両手すくい上げた砂の粒 僕を構成するすべての細胞 ここに有るという幾億の破片 引き返せな…

search

検索しても出てこない答えを探しに行こう

光の中から一歩さがって 君をフレームにおさめて 早足で追いかければ間に合う 光はすこしずつ先になって だんだんと僕は 走っても戻れなくなる 写真に残るからと云わずに もっとよく観ておきなよ 今日の虹を僕は忘れない

ロックンロール・スーイサイド

ほつれたジーンズの裾をもてあそびながら 君が口ずさむロックンロール・スーイサイド 放り投げたオレンジのヒール 片方は垂直に砂に突きささっている まるであつらえたような僕の墓標 くるくる指にデニム糸巻きつけて あなたはひとりじゃない あなたはひとり…

そのさ中にいるはずなのに おき去りのようなこの気持ち 空のむこうがわとこちらがわ 僕はどこにも属さない傍観者 失うために手に入れたものなど ひとつもあったことはない 無根拠の自負と踏み込むペダル

ことしのなつ

いちどきりのことしのなつがはじまりました

セレクト

君に選べないことはなにひとつない まだいまはそのことを知らないだけ

トランスファー

眠るのが惜しいくらい 昨日に焦がれていたんだ 氷の中でひびわれた かえりたい場所 かえりたい時間 タイム・パトロールをかいくぐって チョット心だけ行ってくる

いつもの道

いつもの道がいつまでもいつもの道であってほしい

生きていく なう

命を削りながら生きてきたのに 僕は沢山の時間を無駄にしたんだ 何年もかけ理解したわずかばかりの真理 もう迷わないという言葉に意味はないし 憂いも心配もかなしみをヘッジしない 目の前に猛然と流れる時を 気持ちすこし引いて眺めてみた 良い時も悪い時も…

ON THE BRIDGE

先週2度死にかけたけどそうならなかったのは 僕の運命かそれとも神様のきまぐれ デジタルカメラケイタイ電話 ポケットかたっぽずつつっこんだまま 見えてる景色風呂敷包んで さっそうと乗り越えてみたいON THE BRIDGE ☆コトバナパラレル☆「ON THE BRIDGE」

リターン

今を大切にしよう そのときは信じて 何度も何度も誓った 大切にしなかった そのつけを 何度も何度も支払った 破れた傘をとおりぬけて 頬におちたあまつぶは みらいの自分を まるきり他人に扱った その他もろもろの罰