2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

夜読書

こんなに静かで長い夜は 本のページをめくる音が 遠くからくる爆音のよう 君に会えなくなるなんて 気圧が胸を押しつぶす しきりに気にかけてたのは 話の核心などではなくて 君には君が一番大事で 君にとっての僕は何だったろう 書いてないあとがきを覗き見る…

Now all I need

信号待ちのショウ・ウインドウ だれかの顔が映りこんでる ソンナコワイカオシナイデクレヨ そう呟いている僕はどちら側? ご親切な連打のホーンを合図に ブレーキペダルの足をよけたら アルミホイールの一回転ごと 馬鹿馬鹿しさが巻き上がる ゆずれない気持…

早期ペイン

足もと散らばる木蓮の 褪せた花びらよけながら 届かない言葉を繕った 浮き沈み逡巡する思い 同じ音をめまぐるしく繰り返す 傷ついたコンパクト・ディスクみたい いつか すべては消えるとしっている かなしみもおわるとしっている 不可避な現実 ただ何も それ…

両の足が棒になるくらい 泣ける場所を探してみたけど 街は思いのほかに狭すぎて おまけにわざとらしいくらいにいつも通りだ ツララみたいな手摺りに顎をのせ 快速列車の速度を眼ではかる 痛いのはほんの一瞬 両手でぴしゃと頬をはたいて すいこまれる熱を遮…

ちかいます

ちがいます ちかいます ちがいますと ちかいます ☆コトバナパラレル「ちかいます」☆

所望

「おまえのほしいものをひとつだけやろう」 といわれたらなにがほしいだろう とりあえず考える時間がほしい 「おまえののぞみはかなえられた」 ☆コトバナパラレル「所望」☆

希薄

最後と決めたけど最後だろうか 最後を自分で決められるのだろうか 何があっても認めないことはできる つめたい雲の上でだれかと うすい空気と命をともにしながら 信じる根拠を手探っていた ☆コトバナパラレル「希薄」☆

普通のこと

普通だったことは もう取り戻せない 普通ではなかったと 気付くための術は いつだって遅れて手にはいる おはよう 何度も言えないかもしれない おはよう おはよう こっちをみて ☆コトバナパラレル「普通のこと」☆