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両の足が棒になるくらい
泣ける場所を探してみたけど
街は思いのほかに狭すぎて
おまけにわざとらしいくらいにいつも通りだ
 
ツララみたいな手摺りに顎をのせ
快速列車の速度を眼ではかる
痛いのはほんの一瞬
両手でぴしゃと頬をはたいて
すいこまれる熱を遮断する
 
ラクションに消えたおわりの言葉
たしかめる術もなく時は去って
残された細い棘をさわり過ぎたから
ほころびが奥まで届いて骨を蝕む
 
悪いのは僕のほうだったけど
善悪を決めてももう何も起きない
のみこむ息は胸にぶら下がり
鉛になって膝へと崩れだす
 
こころをなくした言葉詠みは
音を紡いで詠うのにも飽きた
痛みのための傘は破れている
身を縮めたジャケットに
無音の雨がじわりと滲む
 
 
 
☆コトバナパラレル「街」☆