shell
僕のこころの硬い殻
どんな矢もとおさない硬い殻
激しい雨風もうけつけない
セラミック製で完全防水の
かたいかたい殻
もう傷つくのがいやで
なにもみえなくした
なにもきこえなくした
なにもいわなくした
はずだった
そとからはつるんとして見えないけれど
ああ きっと
内側からひびわれている
きみが優しすぎたんだ
きみは暖かすぎたんだ
想定外の外的要因
それと点検口をつくらなかった
僕の設計ミス
じわじわとひろがっていく
修復不能のひびわれを
眺めるだけの時が来て
あきらめたはずの色つきの世界が
閉じたまぶたにちらちら
剥き身の脆弱な躯をさらして
僕はまた世界に戻るんだね
そこにきみがいるから
たったそれだけの
淡くて眩しい希望のために