キャッチボール
昔 ある人が僕に言った
「ねえ君、会話はキャッチボールだよ」
まともに受けとれず
投げても届かなかったり
大暴投だったりの僕に
それはつとまらない
投げても届かなかったり
大暴投だったりの僕に
それはつとまらない
あきれ顔で笑い放たれたボールは
心のすみの深い溝に落ち込んだ
心のすみの深い溝に落ち込んだ
それからやがて
君と出会った僕は
やっぱりいまだって言葉足らず
君と出会った僕は
やっぱりいまだって言葉足らず
なのに
溝に落ち込んだボールは
いつのまにか
足もとに戻って転がっている
溝に落ち込んだボールは
いつのまにか
足もとに戻って転がっている
そっか
思いあたって
君の声をききたくなった
君の声をききたくなった
ねえ君
僕とキャッチボールしてくれるかい
僕とキャッチボールしてくれるかい