HALF MOON KISS

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はんぶんの月をたよりに
言葉を手繰る
煙突のけむりがカーテンみたいに
星の表情を遮っている

おろしたての真綿のような
あなたの微笑みをまえにして
言葉は飾りに過ぎなくなって

僕は眼をとじて
右手のポケット
砕ける理性を堰き止める

明日がなくてもいいのなら
欠けたのこりのはんぶんを
あなたとさがしに行けるのに

とぎれた時間の中で
しろい吐息をふさぎ
絡めたてのひらの
脈打つ鼓動をききながら

からだじゅうの神経を寄せあつめ
衣服が隔てる体温までも
ひとつのこらず感じようとした