no escape.

イメージ 1

 
トレンチコートに身みをくるみ
無音のエスカレーターをくだる
平凡な人影
つかれきって言葉を全部
どこかに放りだしてきた背中

水かびのにおいがする地下鉄のホーム
コンクリィトが足の裏から染み込んで
したからじゅんばんに凍りつきそう

もっと寒かったんだろう?
僕がしらない川を行った君は
振り向くこともできなかった

すべてがおわって
果たされないと決まった約束を
僕は大事に抱えこんでいる
君の一滴の血液すら
のこされていないこの世界

トレンチコートに身みをくるみ
無音のエスカレーターをあがる
平凡な人影
つかれきって思考を全部
どこかに放り出してきた抜け殻

泣きたいのか
悲しいのか
さよならをいうべきなのかさえ
よくわからない