いくつもの夏

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夏のおわりはいつも
せつないような
せいせいするような

ポケットの奥の鍵ひとつ
とり出して
こころのアクアリウム
鮮やかなまま保管した

水着の痕を気にかけて
大きなスイカを頬張った

かき氷のストローで
花火の軌跡を追いかけた

だれかを送る船の灯
ひかる魚をおいかけた

記憶は薄れていくけれど
塗り替わることのない
いくつもの夏の日